インタビュー

辻仁成
辻 仁成Tsuji Hitonari
小説家
プロフィール
『ピアニシモ』ですばる文学賞、『海峡の光』で芥川賞、『白仏』で仏のフェミナ賞・外国小説賞を日本人として唯一受賞。パリを拠点に、ミュージシャン、映画監督、演出家など幅広く活動している。Webマガジン「Design Stories」主宰。

パリ在住の小説家、辻仁成さん。「印象派絵画が誕生した19世紀〜20世紀に大変興味がある」という辻さんに、アートとの関わりや本展への期待などをお話しいただきました。

美術館へはよく⾏きますか? 絵を⾒るのは好きですか?
絵を⾒るのは好きです。美術館に踏み込んだ時の、あの独特の空気感がいいですね。今は忙しくてあまり行けませんが、絵画を眺めていると⼼が安らいでいくというか、僕にとっては⼼が休息する場所、そんなイメージかな。
印象に残っている美術展やアート体験があれば教えてください。
2016年に東京六本⽊で⾏われた「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」で見たマネの弟ウジェーヌと画家ベルト・モリゾの娘を描いた「ジュリー・マネあるいは猫を抱く⼦ども」が印象に残っていますね。聡明で愛らしい少⼥と抱かれた猫の表情が、とても素晴らしい作品です。
お仕事や⽇々の活動、⽣活の中で、美術やアートとの関わりをお感じになることはありますか?
僕は今webマガジン「デザインストーリーズ」を主宰しているんですが、⽇々、さまざまな世界のアーティストさんに会うんですよ。⾃分の知らない表現世界で頑張っている⼈や何か起こそうとしている⼈たちとの関わりから新鮮な刺激を与えられています。そこから新しい作品が⽣まれたり、表現の幅を広げてもらっているのかもしれませんね。
本展への期待を教えてください。観たいと思う画家や作品はありますか?
誰もが知っている教科書に出て来る画家の作品が多いと聞いていますから、本物に触れるとてもいい機会だと思います。歳⽉を感じさせない⽣の作品の素晴らしさ!ぜひ多くの⼦供たちにも⾒てほしいですね。 個⼈的には⽇本初公開のモネの代表作「睡蓮の池、緑の反映」は特に⾒てみたい作品です。
クロード・モネ 《睡蓮の池、緑の反映》 1920-26年 油彩、カンヴァス 200×425cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
世界で有数の個⼈コレクションを作った、ビュールレという⼈物をどう思いますか?
絵画収集にこれほどの情熱を傾け、その作品を後世に残したということはとても素晴らしいと思います。絵画を本当に愛した⼈、そう思います。
本展の作品の多くは、19〜20世紀のフランスで描かれました。この時代にご興味はありますか?
とてもありますね。僕の「永遠者」という作品は、1899年末のパリから始まるんです。まさにこの時代と重なります。新しい世紀の幕開け、この時代を⽣きた画家たちが激動の20世紀をどう乗り越えて来たのか、作品を通して感じることができとても興味深いですね。
本展ではミュージアムグッズも話題になっています。おすすめのグッズがあれば教えてください。
どれも⾯⽩いですね、その発想が楽しい。ただ図録は定番ですが、展⽰会の記念にもなりますし、家に帰ってからもみんなで楽しめるので、やはり⼀番のおすすめです。
イレーネ
イレーネIrene
DJ・パーソナリティー
プロフィール
ドイツ人の父と日本人の母の間に生まれる。5年間の演劇留学後、現在は出身地の愛知県に戻り、ZIP-FMミュージックナビゲーターほかテレビ、舞台、イベントMCと活躍の場を広げている。

ご自身と同じ名前(Irene)ということもあり、「本物の《可愛いイレーヌ》に会えるのが楽しみ!」と瞳を輝かせるイレーネさん。子どもの頃の楽しいエピソードを交えながら、本展への思いを語ってくれました。

ルノワールの「可愛いイレーヌ」を初めて知ったのは小学生の頃。学校の先生に「あなたの絵があるのよ」と見せてもらったのが最初です。「私と同じ名前の女の子の絵があるなんて!」と誇らしくてたまりませんでした。この美術展で、レプリカではない本物に会えるのがとても楽しみです。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年 油彩、カンヴァス 65×54cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

小学生の頃の思い出をもう一つ。私の絵画の原体験は、某ふりかけ商品の懸賞で当たった印象派の絵画カードセットでした。ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、モネ、ドガ…夢中になってカードをめくっていましたね。この体験の影響でしょうか、今も19~20世紀の時代の作品や文化には思い入れが強いです。『ムーラン・ルージュ』や『ミッドナイト・イン・パリ』など、映画作品でも多く登場するこの時代、わくわくしますね。

そんな子供時代から、演劇学校で学んだパリ時代を経て、現在。日々、さまざまなゲストをインタビューしますが、好きなアート作品が会話のきっかけになることも多々あるんですよ。アート作品の好みと、その人となりが直結していることも多く、面白いなと思います。

これほど有名な印象派絵画を、個人で、たくさん収集したビュールレという人はきっと、20世紀をまたぐこの時代を本当に愛していたんでしょうね。それがコレクションから伝わります。多くの人に愛される作品ばかりですから、これまであまりアートに興味のなかった人でも入りやすい、入門編のような展覧会になるといいなと思っています。

裏地桂子
裏地 桂子Uraji Keiko
ギフトコンシェルジュ・クリエイティブコーディネーター
プロフィール
“贈り物のプロフェッショナル”として活躍する他、雑誌や企画展の商品セレクション、ショップや企業のプロデュース、商品企画、商品開発などを手がける。個別指導の「草月流師範・裏地桂子のいけばな教室」主宰。著書多数。

モネが好き、とおっしゃる裏地さん。お仕事柄、日本はもちろん海外に出かけることも多く、実際にフランスの“モネの庭”ジヴェルニーに足を運んだこともあるのだとか。日本文化にも造詣の深い裏地さん、『至上の印象派展』はいかがでしたでしょうか?

『至上の印象派展』は2月に開催された東京展を早速、観に行きました。世界的に有名なコレクター、ビュールレ氏のコレクションから約60点。逸品揃いとは聞いていましたが、まさにその通りでした。「これ、知ってる!これ、観たことある!」という作品がたくさんあって、とても気持ちが上がりました。

印象派の中でも、素晴らしい作品をコレクションできる財力と審美眼と趣味の良さ。改めて故エミール・ビュールレ氏には敬服しました。ビュールレ氏は本当の意味でのパトロンであり、“数寄者”な人物ではないかと想像しています。私は茶道をたしなんでおりますので、そんな風に感じるのかもしれませんね。お茶事やお茶会は、まさしく美術やアートそのものですから。

印象派の絵画はおしなべて優しい気持ちになれますね。そこが好きです。個人的にはモネ、それも《睡蓮》が大好きです。海外へ行った時には都市にある美術館へ必ずまいるのですが、中でもパリのオランジュリー美術館の「睡蓮の間」は圧巻でした。《睡蓮》を飾るために作られたという自然光の差す展示室。忘れられない、幸せな時間でした。また、《睡蓮》をモネが描いたパリ近郊のジヴェルニーを訪れたこともあります。こうした体験は、色あせることはないですね。

本展では日本初公開の大作《睡蓮の池、緑の反映》がもちろん話題ですが、《ジヴェルニーのモネの庭》などモネ作品は4点展示されています。ぜひご覧になってください。

ジヴェルニーのモネの庭
クロード・モネ
《ジヴェルニーのモネの庭》
1895年 油彩、カンヴァス 81.5×92cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
水谷雅子
水谷 雅子Mizutani Masako
タレント
プロフィール
タレント・モデルとして数多くの全国誌、テレビ、CMに出演。美容の知識をいかした著書やDVDの出版のほか、インスタグラムやブログなどでもファンが多い。多方面で活躍中。
公式ホームページ http://www.mizutanimasako.com/
公式ブログ https://ameblo.jp/masako1968/

青いワンピースと、素敵な手作りイヤリングで会場へ現れた水谷さん。「美術館は敷居が高いと感じていましたが、とてもリフレッシュできました。来て良かったです」と笑顔の水谷さんに、観覧後すぐに感想をうかがった。

子どもの頃、祖父に連れられて日本画の展覧会へ行ったことがあります。何て言ったらいいのか…そこには和の世界が広がっていて、子ども心に「すごいな」と感じたことを覚えています。いつの間にか展覧会へ出かけることもなくなっていましたが、久しぶりに『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』を観て、いま、感動しています。絵画には、人の心を揺り動かす力がありますね。

今日は名古屋市美術館の深谷副館長のレクチャーがありました。心を引かれたのはセザンヌの《赤いチョッキの少年》。「腕の長さは不自然なのに、全体で観るとバランスがとれている」というお話があって、よく観ると本当にその通りなんですよ! 面白いですね、お話を聞かなければ通り過ぎていたかもしれません。

赤いチョッキの少年
ポール・セザンヌ
《赤いチョッキの少年》
1888-90年 油彩、カンヴァス 79.5×64cm
©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland) Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

実は自分でも少しお勉強をして、シスレーの《ハンプトン・コートのレガッタ》とか、マネの《ベルビュの庭の隅》とか、印象に残った画家や作品の名前を覚えてきたんですよ。でも、その必要はなかったかもしれませんね。並んでいる作品のどれもがとにかく素晴らしくて、観ているだけでとても楽しい。「可愛いイレーヌ」は本当にいい絵で、レプリカでいいから欲しくなりました。

そうそう、グッズコーナーもおすすめしておきたいです。“可愛いイレーヌ リカちゃん”をはじめ記念になりそうなグッズがたくさんあります。中でも絵画がプリントされた「タイツ」がとてもユニークで、思わず手に取ってしまいました。ヨガの時にでも履いてみようと思っています。

可愛いイレーヌ リカちゃん
可愛いイレーヌ リカちゃん
平野裕加里
平野 裕加里Hirano Yukari
フリーアナウンサー
プロフィール
中部日本放送(CBC)アナウンサーを経てフリーとなる。一児の母。ラジオ「キラママ de CUCURU」ほかテレビ、イベント司会、講演など出演多数。有限会社LIBRA代表。

「好きと思った絵を部屋にいくつか飾っている」とおっしゃる平野さん。本展をご覧になり、エミール・ビュールレ氏の人となりやコレクション眼にも興味を引かれたそうで…。

話題の展覧会や、興味のある作家さんの展覧会は観に行きます。絵を観るのが好きなんですよ。海外へ行った時などは美術館へ立ち寄ることも多く、たとえばルーブル美術館で本物のモナリザを観た感動! 大英博物館で今にも触れられそうな展示物にドキドキしたこと。「観る」というより「体験」したことが、今でも鮮明に思い出されます。

美術に詳しいとは言えませんが、『至上の印象派展 ビュールレ・コレクション』はとても楽しみにしていました。こんなにたくさんの有名な画家の、有名な作品の“本物”が一度に観られるのですから! 実際に観てみると、その迫力に驚かされ、感動し、そしてとても楽しかった!

ここには風景も肖像もあって、写実から印象派からモダンアートまであって、それこそ美術史の流れを、最高峰の作品でたどれるんです。突然ドラクロワの絵が登場した時には、本当に驚きました。一人のコレクターが集めたコレクションならではの面白さでしょうね。ビュールレ氏の「自分の目で見て、好きな絵だけを集めた」という自信のようなものも感じました。

マネ、モネ、セザンヌ、ゴッホ、ピカソ、ドガ…これだけ有名な画家ばかりですから、美術に詳しくなくても入門編のように楽しめること請け合いです。それに、《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》の本物が観られる貴重な機会です。たくさんの人に間近で観ていただきたいですね。お土産にぴったりなイレーヌ嬢のミュージアムグッズも充実していますよ。

特設ショップ
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